借りパク師が使う在籍屋(アリバイ会社)とは

借りパク師が使う在籍屋(アリバイ会社)とは/用語集

利用者から高額な金利を搾取する闇金業者。その闇金業者から、お金を騙し取る借りパク師。

この借りパク師が、闇金からお金を融資してもらう際に職業を偽る事がほとんどとなっているんですが、会社に在籍確認をされてしまってはすぐにバレてしまいますよね。

そこで借りパク師がよく使う在籍屋(アリバイ会社)と呼ばれる便利な仕組みがあるんですが…

一体どんな内容になっているんでしょうか?

そこで今回は、借りパク師が使う在籍屋(アリバイ会社)についてまとめてみました。

在籍屋(アリバイ会社)とは

闇金業者といえば、利用者から高額な金利を搾取し、返済が遅れると執拗な取り立てや嫌がらせをおこなう悪徳業者というイメージがあると思いますが、そんな闇金業者から踏み倒すことを目的としてお金を借りに行く、借りパク師と呼ばれる存在がいるんです。

借りパク師の手口の一部に、闇金の審査を受けるときに職業を偽るという手法があるんですが、これは会社に在籍確認をされてしまっては嘘を付いている事がすぐにバレてしまいますよね。

そんなとき、実際には在籍していないにも関わらず、利用者を在籍しているかのように偽ってくれるアリバイ会社が存在するんです。

これは、利用者に対しペーパーカンパニーの名義で源泉徴収票の発行や、電話での在籍確認に対応してくれるサービス会社のことで、借りパク師以外にも風俗店で働いている女性であったり、人には言いづらい職業に付いている方がよく利用する傾向にあります。

また、在籍屋がおこなうサービスの一環として、様々な書類の発行をしてくれるというものがあるんですが、一体どんな書類の発行をおこなってくれるのか以下に一覧でまとめてみたので確認してみましょう。

在籍屋が発行する書類一覧

  • 給料明細書
  • 源泉徴収表
  • 就労証明書
  • 採用通知書
  • 雇用証明書
  • 名刺

などがあり、これらを用意周到に準備されてしまっては、いくら闇金業者といえども騙されてしまいますよね。

ただ、この在籍屋と呼ばれるサービスは法に触れることは無いのでしょうか?

在籍屋の多くは、実態のないペーパーカンパニーを法人登記しているため、その会社の名義で給料明細などの各証明書を発行しています。

これは、文書偽造にあたりそうなところですが、法人登記されている会社が会社名で書類を発行した時、その会社の名義が合っていれば罪に問われる事がないんです。

つまり、いくら内容に誤りがあったところで会社自体は存在するため罪に問うことができないという事なんです。

ただし、在籍屋が発行した偽物の証明書を利用することで、利用者が罪に問われるケースはあるそうで、以下に2011年9月にアリバイ会社とその利用者が逮捕された事例があったので確認してみましょう。

アリバイ会社と利用者の逮捕事例って?

概要

2011年9月7日、北海道警は「アリバイ.com」を運営する容疑者(32)ら2人を、地方税法違反で逮捕した。これは利用者である詐欺グループが、「アリバイ.com」を利用していたので、その詐欺グループの走査線上に浮上して逮捕に至ったものである。このとき、「アリバイ.com」は利用者である詐欺グループから報酬を得ていなく、儲けといえば源泉徴収票の作成料金だけだったそうです。

状況

アリバイ会社の利用者である詐欺グループは、フラット35を利用してオーバーローンを組み、実際の販売価格と融資額の差額を利益としていた。

住宅販売業者(主犯各)は、お抱えのブローカーを通じて購入者を集めていたそうで、そのブローカーがかき集めてくる購入者は皆、水商売や無職の者ばかりだったそうです。

そこでアリバイ会社が利用されることになり、アリバイ会社を利用した購入者らは軒並み逮捕されることになったそうです。

ところが、購入者の中には逮捕されたなかった者もいた。

それは、滞りなく住宅ローンの返済をしていたからである。

返済を履行している者を逮捕すると、不良債権化して余計に被害者の被害が拡大するという理由から逮捕は見送られ、書類送検だけで済まされたという。

これはつまり、アリバイ会社の利用者は詐欺罪で逮捕される事になり、アリバイ会社は納税実績がないにも関わらず、容疑者を雇用していると偽ったことに警察が着目し地方税法違反として摘発されたとのことです。

なんにせよ、在籍屋を利用することで、詐欺罪に問われる可能性が非常に高くなっているため、絶対に利用しないようにしましょう。

なお、以下に借りパク師に関する記事を掲載しておくので、興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか?

闇金の敵、借りパク師とは、手口・手法など

カテゴリー 用語集
作成日時 2017-08-07 20:15:29
更新日時 2017-08-13 14:56:44
その利便性から誰もが利用している反面、闇金業者の犯罪の温床として使われている携帯電話。 様々な種類が存在する闇金業者ですが、そのほとんどが携帯電話を使って勧誘をし、債務者とコンタクトを取っているんです。 これだけ携帯電話を使っていると、毎月の請求額も相当な金額になりそうなものですが…、闇金業者は「飛ばし」と言われる手口を使い自分達には携帯電話の請求が来ないようにしているんです。 …
今から約1300年前の、和銅元年(西暦708年)から存在したと言われている闇金業者。 もちろん、今と違って「闇金」とは呼ばれておらず、時代の流れとともに様々な呼ばれ方をしてきました。 そんな中、室町時代に「土倉」や「酒屋」と呼ばれる歴史上においても有名な高利貸し業が存在したんです。 ですが、同じ高利貸し業なのに呼び方が違うのはなぜ?と思う方は、きっと多くいますよね。 …
闇金や振り込め詐欺などにおいて首謀者はいかに捕まらないで被害者からお金を騙しとるかという事を考えます。 そこで犯罪組織は捕まるリスクを抑えるために掛け子という人員を雇います。 この掛け子は、高額の報酬をもらえる事から、バイト感覚でやる人が増えてきています。 いったいこの掛け子とはどのようなものなのでしょうか? そこで今回は、闇金業者や詐欺業者が使う掛け子の意味や事例に…
借金がしたくてもどこからも借りれない…。 そんな状況にある中、電柱の貼り紙にまるで自分に手を差し伸べているかのような甘い言葉が書いてあった場合、ここで借りてもいいかなという気持ちにならなくもないでしょう。 ですが、そのような甘い言葉を投げかけるのは悪質金融業者なので、利用してしまえば、痛い目にあうかもしれません。 そこで今回はそんな誘い文句にひっかからないためにも、悪質金融…
闇金業界で使われる専門用語「キリトリ」。 キリトリと聞けば「キリトリ線」など連想させますが、闇金の用語として使用されているキリトリという言葉の意味は何なのでしょうか? そこで今回はこの「キリトリ」についてまとめてみました。 キリトリとは? 闇金用語の「キリトリ」とは、闇金業者がおこなう人権を無視した借金の取り立てのことで、債権回収業務になります。 また、取り立て…
貸金業登録番号や店名を偽装するなど、消費者を勧誘するためなら手段を問わない闇金業者。 そんな闇金業者の中でも、最近は信用を得るために有りもしない架空団体を作り上げ、そこに加入することであたかも健全な貸金業者であるかのように装う悪質な業者が存在するんです。 そのため、闇金の手口に騙される消費者が後を絶たず、問題になっているんです。 そこで今回は、実際には存在しない金融協会や支…
闇金業はもちろんのこと、消費者金融や銀行など貸金業者の主な収入源となっている利子や利息。 実はこの利子と利息、基本的に意味の違いはないため、多くの場合どちらの表現に置き換えても問題はないとされています。 ですが、厳密に言うとわずかではありますが小さな意味の違いがあり、その違いを利用して詐欺をはたらく闇金業者も存在するんです。 そこで今回は、同じようで実は違う利子と利息の違い…
法律に順守すること無く、債務者から暴利な金利を搾取し続ける闇金業者。 闇金は、国から許可を貰っていないにも関わらず貸金業を営んでいるという特徴がありますが、その中でも登録型の闇金と、無登録型の闇金の二つに分けることが出来るんです。 ですが、この二つの違いがよくわからないという方も多く存在するのではないでしょうか? そこで今回は、登録型闇金と無登録型闇金の違いについてまとめて…
被害者に支払い能力が無いとわかっていても、その家族や親族にまで被害が及ぶことから、難しいと言われてきた闇金業者との和解。 最近では、闇金業者への規制も厳しくなってきた事や、弁護士及び闇金救済機関が身近なものとなってきたため、和解の事例も増えてきました。 ですが、ゼロ和解を知らない人や、和解までの流れがよくわからないという方も多くいるかと思います。 そこで今回は、闇金のゼロ和…
一度借りてしまったが最後、完済しない限りどこまでも取り立てが来るイメージが強い闇金。 大抵の場合、債務者は闇金の取り立てに合い必要以上のお金を搾取されることがほとんどとなっていますが、実は闇金側の思い通りにいかないため融資する側にとっては天敵と呼べる「借りパク師」と呼ばれる人が存在するんです。 その名前から、どんな人達なのか容易に想像できると思いますが、あまり聞き慣れない名前のた…

地域別