近年ニュースなどで話題となっているマイクロファイナンス。
貧困者向けの融資というのはなんとなく分かりますが、具体的にはどのようなサービスになのでしょうか?
そこで今回はマイクロファイナンスの詳しい概要や批判、問題点について簡潔にまとめてみました。
さて、マクロファイナンスとは、その名の通り、小口金融(マイクロファイナンス)の総称になります。
途上国の貧困層も金融サービスへのアクセスが容易になるように考えられていますので、日本ではおこなわれていません。
このマイクロファイナンスには、マイクロクレジット(小口融資)のほか、マイクロインシュアランス(小口保険)など様々なサービスがあります。
他の金融と比較すると、貧困緩和と事業収益の両方を追求しているという事がマイクロファイナンスの特徴としてあげられます。
一般の銀行では、担保や信頼のある富裕層にのみ貸付をおこなっており、貧しい人々は、自分の仕事に必要な少額のお金を得るために、法外な金利にもかかわらず違法な高利貸しを頼ることしかできない状況にあります。
そこで、マイクロファイナンスは貧しい人々に融資することで、自立をサポートし、貧困の削減という社会的課題の解決に貢献できるとしています。
例えば、バングラデシュにある銀行であるマイクロファイナンス機関のグラミン銀行では、銀行員が毎週集会を開き、お金の使い道や返済の計画について個別にアドバイスをおこなっています。
このような取り組みによって、貧しい人々は、具体的な方法を学習し、貸付てもらたお金を元に、事業を営むことができるという仕組みになっています。
こうして自らの手で生活の水準を上げていくことで返済が可能になり、貧しい人々も信頼できるものとなっているようです。
ちなみに、グラミン銀行の返済率は、98%にも達しています。
「融資→返済→融資→返済…」というサイクルを通じて、事業の持続可能性という経済的課題をクリアしていることも、もう1つの特徴であるといえるでしょう。
また、日本に比べれば利率が高めですが、融資対象者の信用調査や回収をおこなうためには直接訪問する必要があるなどコストがかかってきます。
そのため、貧困の削減とともに事業の持続には高めの利率水準が必要不可欠になるようです。
さて、このように貧困の解決のために誕生したマイクロファイナンスですが、批判や問題点も囁かれてます。
新規参入者が増加し、本来の目的とは方向性が大きく変わってきており、マイクロファイナンスは膨大な利益をあげる事業へとなり、それを批判する人が出てきているようです。
また、多くの業者がマイクロファイナンスに参入したものの、中には実態が高利貸しと変わりのない悪質な業者も存在しているようです。
このような悪質な業者は、マイクロファイナンスという名だけを利用し、借り手の返済能力を調査することなく高金利で融資し、返済が滞ると過酷な取り立てをおこなうなど日本で言う闇金融と変わらないようです。
悪質な業者に引っかかった債務者は返済のため次々と別の業者から借金をし、結果的に多重債務者となってしまうようです。
このような悪質な業者が多く、マイクロファイナンス事業が活発なインドの貧困州の一つ、アーンドラ・プラデーシュ州では、以下のような課題点を指摘しているようです。
金融機関に対し信用調査と顧客ケアを行わせるために、効果的なインセンティブの付与とスタッフ全員に対する訓練の必要性がある。情報の共有や信用審査の適切なコントロール、金利や融資条件の透明性増大、顧客に対し十分な情報を提供し、融資制度を理解してもらう必要性。また返済のための手段を明確化し、そのための適切な規制の必要性も出てくる。
貧困者のためのマイクロファイナンスですが、それを逆手にとった悪徳業者も多く、まだまだ問題が多いようです。
カテゴリー | 用語集 |
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作成日時 | 2017-08-08 22:39:02 |
更新日時 | 2017-08-13 14:56:17 |