宗教法人を隠れみのにして「ヤミ金融」を営み、高金利で現金を貸し付けたとして、兵庫など3県警の合同捜査本部は1日、出資法違反の疑いで、宗教法人「至誠光魂(しせいこんごう)寺」代表、立石扇山(せんざん)容疑者(77)=佐賀県伊万里市大坪町乙=と、元法人職員ら41~70歳の男女3人を逮捕した。
兵庫県警によると、立石容疑者らは貸金業の登録を受けない「ヤミ金融」を経営。平成23年7月~今年1月、少なくとも42都道府県の約380の個人・法人に対し、法定金利の上限(1日あたり0・3%)を上回る超高金利で計約10億7千万円を貸し付け、利息を含め計約16億円を回収した。融資先の企業経営者らは「別のヤミ金業者から至誠光魂寺を紹介された」などと説明しているという。
逮捕容疑は27年12月~28年2月、兵庫県内の建築業の男性(80)ら2人に計66万円を貸し付け、法定金利を上回る11万円の利息を受け取ったとしている。
県警によると、立石容疑者は融資の際、あらかじめ貸付額と同額の小切手を振り出すよう顧客に要求。さらに「ネイチャーパワー」が含まれると称した安価な湯飲み茶碗(ちゃわん)などを高額で売りつけていた。
合同捜査本部は湯飲み茶碗などの物品代が事実上の利息に当たると判断し、摘発に踏み切った。寄付を装って利息を回収するケースもあったという。
宗教法人は、22年に佐賀県から認可を受けたが登記上の住所に事務所はなく、合同捜査本部が活動の実態を調べている。
追加日 | 2017-11-01 21:22:00 |
---|---|
更新日 | 2023-01-08 20:04:04 |
引用元 | http://www.sankei.com/west/news/171101/wst1711010087-n1.html |